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Φ型人間

何故、ヒューマンキャピタル(人的資本)や人事制度についての話をするのか?

なぜなら私は来年から、いわゆる『人材業界』で仕事をするつもりだからです。
そこで、今日は私のキャリア観についての話です。

「私はつねづね、《T型人間》を目指せといってきた。
これは、幅広い知識や経験を持つ(Tの横棒の部分)ゼネラリストであると同時に、
何か1つ専門分野を持っている(Tの縦棒の部分)の人間のことを指す、私の造語だ。
さらにいえば、ゼネラリストでありながら、専門分野を2つ持っている《Π型人間》が望ましい。」


T型、Π(パイ)型の人間像の解説です。


大前研一氏「ドットコム仕事術」からの引用です。

「1つの分野のエキスパートはI型、
ゼネラリストであると同時に、何か1つ専門分野を持っているの人間はT型
さらにゼネラリストでありながら、専門分野を2つ持っているΠ型人間を目指せ」

様々な業界でよく言われるキャリア観だと思います。
昨今は大学・高専でも他専攻(自分の専門外分野)の講義を受講するのが当たり前になりました。

1つの商品(製品)が複数分野の技術によって生み出されることから、
横断的な知識・スキルが必要だということは自明です。

しかし、本当にΠ型のキャリアを形成することは可能なのでしょうか?

普通に考えたら、複数の専門性を追求することには無理があります。
1つの分野に注いでいる力を複数に分配したら、

I⇒T⇒π≠Π

となるのが当然です。

専門性(エキスパティーズ)の数が価値を生むのではありません。

本来は専門性の『高さ』が価値を提供するのです。


そこで私は自分の目指すキャリアビジョンを考えました。
それは、『Φ型人間』です。

Φ(ファイ)型人間とは「複数の専門分野を統合し、ある分野に応用できる人間」です。

Φの○の部分は一連の知識創造のプロセスを表します。
知識の創造とは、
「暗黙知を豊かにしつつ、形式知化し、それらを組み合わせ、
実践に結びつけることで、再び新たな暗黙知を形成する」
というサイクル(循環過程)を繰り返すことです。


ここでいう暗黙知は、知っていても言葉にはできない経験的、身体的なアナログの知です。
言葉や文章で表すことの難しい、思い(信念)、視点、熟練、ノウハウなどです。
そして形式知は、その暗黙知を言葉や体系にした、デジタルで共有可能な知です。
アナログな知識とデジタルな知識とも言えます。

この知識創造のプロセスを適用し、複数の分野を統合することによって、
ΦのIの分野へと応用できる人間が私の考えるΦ型人間です。


これが私の目指すキャリアビジョンです。

実現するは何年後になるでしょうか?

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物質的誘引(金銭報酬)の限界

前回の高橋伸夫氏の主張から引き続き、成果主義について考えます。

1980年の米国南部の小さな町でのエピソードです。

『第一次世界大戦後、ユダヤ人排斥の空気が強い米国南部の小さな町で、
一人のユダヤ人が目抜き通りに小さな洋服仕立屋を開いた。
すると嫌がらせをするためにボロ服をまとった少年たちが店先に立って
「ユダヤ人! ユダヤ人!」と彼をやじるようになってしまった。
困った彼は一計を案じて、
ある日彼らに「私をユダヤ人と呼ぶ少年には10セント硬貨を与えることにしよう」と言って、
少年たち一人ずつに硬貨を与えた。
戦利品に大喜びした少年たちは、次の日もやってきて「ユダヤ人! ユダヤ人!」と叫び始めたので、
彼は「今日は5セント硬貨しかあげられない」と言って、再び少年たちに硬貨を与えた。
その次の日も少年たちがやってきて、またやじったので、
「これが精一杯だ」と言って今度は1セント硬貨を与えた。
すると少年たちは、2日前の1/10の額であることに文句を言い、
「それじゃあ、あんまりだ」と言ってもう二度と来なくなった。』



(エドワード L.デシ 著, その他 誠信書房)より

少年たちは、はじめはやじること嫌がらせの喜び(満足感)を得ていました。
しかし、『金銭的報酬』を与えられたことによって、
『仕事(※)と『(職務)満足』が分離してしまい、お金のためにやじるようになりました。
そして、金銭報酬が減るとともに満足も少なくなり、やじることをやめてしまったのです。
※「ユダヤ人」とやじることはもちろん仕事ではありません。ここでは比喩的な表現として用いています。

もともと仕事と満足はくっついているはずです。

つまり「仕事それ自体が報酬」と言えるのです。

ところが、そこに金銭的報酬が投げ込まれると、
金銭的報酬が仕事と満足の間に割り込んで両者を引き離し、
満足を報酬の後に追いやってしまいます(Fig.1)。
[仕事→金→満足]と分離させてしまう効果があります。

こうしてひとたび金銭的報酬のために仕事をするようになってしまうと、どうなるでしょうか?

金銭的報酬が与えられなくなると、満足も得られなくなり、
仕事をする気もまたしなくなってしまうのです。


給料を上げれば勤労意欲が高まるという前提自体、科学的根拠はありません。

心理学者デシのパズル解きの実験によれば、
解いたパズルの個数に応じて金銭的報酬をもらうと、
それまでパズルを解いていた自由時間を休憩するようになってしまったそうです。


物質的報酬はインパクトが強すぎる報酬なのです。

仕事から喜びを奪うことすらあり得ます。

これが、仕事の成果を金銭的報酬とする成果主義の怖いところです。

幼い頃、母親の家事を手伝ったことがあります。
はじめはただ純粋に、「母に楽をさせたい」という気持ちで手伝っていました。
母は大変喜びました。
そして、母は手伝った報酬に『お小遣い』を私に与えました。
その後も母の手伝いを続けましたが、その気持ちは徐々に蝕まれ始めていました。
いつしか私は母への想いを忘れて、小遣いを目当てに手伝うようになりました。


金銭的報酬のインパクトにあなたの心は蝕まれていませんか?

成果主義の警告

セミナーを聴いてから、だいぶ時間が経ってしまいました。

ヒューマンキャピタル2005のセミナーその④

モチベーションを高める人事・教育制度~成果主義を乗り越えて~
東京大学
大学院経済学研究科・経済学部 教授
高橋 伸夫 氏

20050816233443.jpg

講演概要
社員のモチベーションを高める秘訣は何か。困難なプロジェクトを支え、導いていける人材を育成するには、どのような人事制度や教育制度を構築すべきなのか。「虚妄の成果主義」で知られる東京大学・高橋伸夫教授が、成果主義を乗り越えて、本当に人材を育てられる人事制度のあり方を明らかにする。また社員の能力を可視化することで、効果的な研修計画や全社的な人材戦略立案につなげる試みを紹介します。


この講演を通じて、私は日本企業の人事制度に対して偏見を持っていたことに気付きました。

バブル崩壊後、年功序列・終身雇用制が見直され、
アメリカ型の成果主義を導入する日本企業が多く現れました。

何故、日本企業は年功序列を捨て、『成果主義』へと奔走したのでしょうか?
成果主義の幻想に目が眩み、働くことの本質を見失った人事制度はどうなるでしょう?


この問いの答えは日本企業の将来を左右すると言っても過言ではないでしょう。

高橋氏は次のような主張をしています。

「ある程度の歴史を持った(つまり、生き延びてきた)日本企業のシステムの本質は、
給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムだった。
仕事の内容がそのまま動機づけにつながって機能してきたのであり、
それは内発的動機づけの理論からすると最も自然なモデルでもあった。
他方、日本企業の賃金制度は、動機づけのためというよりは、
生活費を保障する観点から平均賃金カーブが設計されてきた。
この両輪が日本企業の成長を支えてきたのである。
それは年功序列ではなく、年功をベースにした上で差のつくシステムだった。」


つまり、「日本型年功制」は年功序列ではなく、「育てる経営」という思想を実践してきた企業が、
長い時間をかけて、「日本型年功制」というシステムを体現するようになったということです。

「働いても働かなくても同じ」だと揶揄されてきた年功序列と比べれば、
一見はるかに正当そうなので、成果主義はこれまで正面切って批判されていませんでした。
「働いても働かなくても同じ」だと従業員がみんな思っているような会社や部署は、
マネジメントが上手く機能していないだけで、制度とは関係ないのというのが高橋氏の主張です。



次回に、成果主義の問題について記したいと思います。

自己抑制

inhibition [インヒビション]【名】禁止、禁制、防止、抑圧、抑制、阻害

突然ですが、問題です。

[問題]
コンクリートの床に鉄パイプが垂直に埋め込まれています。
パイプの底にはフタがしてあり、パイプの内側にピンポン玉が入っています。
パイプの直径はピンポン玉の直径より1~2大きくなっています。
パイプの口からピンポン玉までは指の長さよりも3cm距離があるので、
指で取り出すことはできません。
今、あなたを含めて6人の男性がいます。
そして、
 ・大工道具(ドライバー,ハンマー,ノコギリetc)
 ・物干し竿
 ・コーンフレーク
 ・針金のハンガー
 ・電球

があります。
ピンポン玉、鉄パイプ、コンクリートの床のどれも傷つけずに、
ピンポン玉を取り出す方法を考えてください。

(制限時間 5分)

この問題は、


(ジェイムズ・L・アダムス著 大前研一監修 プレジデント社)

に載っている問題です。

余談ですが、この本の監修をした大前研一氏は日本を代表するグールー(思想的指導者)です。
現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院政策学部教授、
大前・アンド・アソシエーツ代表取締役などを務められています。

「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者であり、
ウォールストリート・ジャーナル紙のコントリビューティング・エディターとして、
また、ハーバード・ビジネスレビュー誌では経済のボーダレス化に伴う企業の国際化の問題、
都市の発展を中心として拡がっていく新しい地域国家の概念などについて、
継続的に論文を発表しています。
この功績により1987年にはイタリア大統領よりピオマンズ賞を、
1995年にはアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を授与されました。

英国エコノミスト誌は
『現代世界の思想的リーダーとしてアメリカにはピーター・ドラッカートム・ピータースが、
アジアには大前研一がいるが、ヨーロッパ大陸にはそれに匹敵するグールーがいない』

と書きました。
同誌の1993年グールー特集では世界のグールー17人の1人に、
また1994年の特集では5人の中の1人として選ばれています。

大前氏は経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、
日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権の国家実現のために、
新しい提案・コンセプトを提供し続けています。
「郵政解散で改革が叫ばれている今、もしや出馬もあり得るのでは?」
と私が今一番注目している人物の1人です。

5分たったでしょうか?
それでは解答です。

多くの人は
「ハンガーを細工してピンセットを作り、それでピンポン玉をつまむ」
という方法を思いつくでしょう。
しかし、これではどうしてもピンポン玉を傷つけてしまいます。

「6人の男性がパイプの中に小便をし、浮力でピンポン玉を浮かせて外に出す」
これが最良の解決策かどうかは別として、
このアイデアは意外性があり、なおかつ理にかなっています。

何故、こんな簡単な方法が思いつかないのでしょうか?

あるいは思いついてとしても、口に出すのを躊躇してしまうのでしょうか。
理由の1つは、与えられた道具の中に「小便」が入っていないことです。
さらに、この状況で小便をするという行為を、
無意識のうちにタブーと思い込み、自由な発想を抑制しているからです。

自分で勝手に前提や過度の分別を作ってしまう自己抑制こそ、開発をする上で最大の敵です。

自己抑制の典型的な例をもう1つ挙げます。

動物園の像は、子供の頃から鎖に繋がれている
自由を手に入れるために鎖を切ろうとするが、小象の力では鎖は切れない
月日が経ち、
大人になった像は鎖を切れる力を手に入れたが、その鎖を自分で切れるとは思わない
一生、鎖に繋がれたままだ


あなたも『見えない鎖』に繋がれていませんか?

Anniversary

妻の実家に帰省していたため、ひさびさの更新です。

本日8月17日は、妻との交際1周年の記念日です。

私事ですが、ブログなので一応こういうことも書くべきだと思ったわけです。

普段、口に出して言えない想いを『記録』に残せるのがブログのいいところなのかもしれません。

苦労知らずの能天気夫婦なので、子育ての大変さすらあまり感じていません。
いまだにカレカノの関係に近いのかなと思ったりもします。

たまにはこんなスローなテンポで、家族といっしょに1日を過ごします。

子供がいても恋人のように接することができる彼女は私の一番大切な人です。

TRIZ -アイデア発想-

TRIZツールの三つ目です。

(3) 問題解決のアルゴリズム
TRIZは固定観念に縛られないためのツールでもあります。
一見すると全然関係のない以下の2つの問題を挙げます。
この2つの問題はTRIZを使って抽象化すると同じモデルになり、
同様のテクニックで解決できるようになります。

[A] 果樹園で栽培しているオレンジがヒヒに食い荒らされた。

[B] 船のスクリューがキャビテーションで腐食した。

  (キャビテーションとはスクリューの周りに気泡が発生し、
   船の速度が上がりにくくなるとともに、スクリューが腐食する現象)

全く関連のない話ですが、「抽象化」することによって次のように捉えなおすことができます。

両問題とも2つの「物質(対象)」が存在し、
その間に有害な相互作用が働いているという点で共通しています。


[A]はヒヒがオレンジに対して有害な相互作用を働いているし、
[B]は水がスクリューに対して有害な相互作用を働いています。

この問題を考えるにはTRIZの問題解決の定石が役に立ちます。

その有害な作用をどのように取り除けばよいのか?

「既存の物質から派生(TRIZでは『変容』)した物質を導入する」
これがTRIZで使う定石の一つです。

例えば、水から変容する物質として、
水蒸気・氷や電気分解した水素・酸素、化学変化したイオン水などがあります。
オレンジの場合はオレンジジュースや冷凍オレンジ、
同じ柑橘類のレモン・グレープフルーツなども当てはまります。
有害な相互作用が働いている2つの物質のうちどちらを変容しても構わないでしょう。


[B]から先に考えてみます。
まず、スクリューがキャビテーションで腐食しないように表面処理する方法が考えられます。

では、もう一方の物質である水を変容させることは可能でしょうか。
海や湖の水を全てを変容させる必要はありません。

有害な相互作用が働いているスクリュー近辺の水だけを変容するための手段を考えると、
スクリューを冷却することでスクリュー表面の水を凍らせるというアイデアが浮上します。

スクリューの表面に氷の膜ができれば、
氷の膜がキャビテーションで腐食しても、その部分にすぐ氷の膜が再生されます。
薄い膜なので水力学的な悪影響は小さく、船の性能を落とすことはありません。

この解決法を[A]にも当てはめてみます。
ヒヒを変容するのは難しい(捕まえられるくらいなら苦労しないでしょう)ので、
オレンジを変容することを考えます。

ヒヒに食い荒らされないようにオレンジの色や形、匂いや味を変容することが考えられますが、
手間がかかるし売り物にならなくなってしまいます。
偽のオレンジやまずいオレンジの木をダミーで植える方法も考えられますが、
付加価値のない余分な出費となってしまいます。

実際に南アフリカ共和国の農園で解決した方法は、
オレンジの木の周囲にごく一般的なレモンの木を植えるという方法でした。
ヒヒはレモンを食べたが、「まずい」と感じたらしく、それ以降は近寄らなくなったそうです。


TRIZで複雑な課題を構成する本質的な問題を抽出すれば、
定石を用いて解決策を導くことが可能となります。

それを現実の問題に応用することで、科学的で合理性のある解に、効率よくたどりつけるのです。

他にもTRIZのツールには
・SLP(スマート・リトル・ピープル)
・Effects(イフェクツ)
・ARIZ(アリーズ)
 ……

など沢山あります。
機会があれば紹介したいと思います。

概要の最後に述べたようにTRIZは「問題解決」のためのツールです。

開発・研究において、「目的」が見失われてしまうことが多々あります。
S字曲線を利用して、進化を予測することが「目的」ではありません。
無理にフレームに当てはめる必要はないのです。

素晴らしい理論やアイデアほど『執着』したくなってしまうものです。

「目的」を達成するためにツールを利用しているということを忘れないようにしなければいけません。

ツールやマニュアルを使うのは「楽」をするためではありません。
創造的な思考をする必要がなくなったところをツールにしたのです。


「楽」になった分、新しいところでさらに創造的な思考をする必要があるのです。

TRIZ -100種類の定石-

TRIZのツールの二つ目です。
「全自然科学分野の知識と100種類の定石」を具体例とともに説明します。

(2) 全自然科学分野の知識と100種類の定石
これは、必要な技術機能を特定し、それに対応する自然法則を選択することによって、
過去にそれを応用した事例に関する情報をピックアップする方法です。

つまり、
「自然科学や工学に関する法則・効果を技術的問題解決のための
科学的・工学的効果集としてまとめた百科辞典」

のようなものです。

例えば、「排水溝が詰まった風呂の湯をどのように排水するか?」という問題では、
排水 → 『液体を動かす』
という技術的機能を特定し、それに対応する自然法則を選択します。

『液体を動かす』方法には以下のような自然法則があります。

音響キャビテーション  電気浸透  浸透
音響振動  電気泳動  パスカルの法則
アルキメデスの原理  静電気誘導  共振
ベルヌーイの法則  蒸発  衝撃波
沸騰  強磁性  超熱伝導
ブラシ構造  強制振動  超流動
毛管凝縮  漏斗効果  表面張力
毛管蒸発  惰性  膨張
毛管圧力  イオン交換  熱毛管効果
コアンダの効果  噴射フロー  熱機械効果
凝結  ローレンツ力  超音波毛管効果
クーロンの法則  磁歪  超音波振動
変形  機械的熱的効果  泡の利用
電気毛管効果 対流

これらの法則から問題解決にたどり着ける方法を導くのです。

力学的に桶で湯をすくう
アルキメデスの原理で、風呂に湯よりも比重の大きいものを入れて排水する
ベルヌーイの定理から、サイフォンを用いて排水する
湯を沸騰させて蒸気にしてしまう etc・・・

これは単純な例ですが、思いも寄らない発想が出せるかもしれません。

今、自分が取り組んでいる問題で考えてみます。

「赤ちゃんの泣き声を聞こえないようにする」

消音 → 空気の振動を止める?

自然法則は・・・

次回、TRIZについてまとめます。

TRIZ -S字曲線-

TRIZのツールの一つ「S字曲線」を具体例とともに説明します。

(1) 35種類のS字曲線
  TRIZでは技術が進化するとき、「S字曲線」と呼ばれる法則性があると考えます(Fig.1)。
  S字曲線は全部で35種類見つかっています。

  S字曲線の一つに

  固体→粒体→粉体→ゲル→液体→気体→プラズマ→場→真空

  と進化するパターンがあります。

  このS字曲線を洗剤の歴史に当てはめてみます。
  洗剤は固体から粒体、粉体、液体へと進化しています。
  アルコール除菌スプレーのように、自然に揮発して乾く洗剤は、
  液体と気体の中間に位置するものとみなすことができる。

  このS字曲線に乗るものは、洗剤の他にも挙げられます。

  例えば、
  エネルギー源 <石炭→粉末石炭→石油→ガス→電気→磁気>
  軸受け <滑り→玉→流体→空気→磁気>
  工具 <刃具→砥石→ウォータージェット→放電→ガス・プラズマ→レーザー>

  などが当てはまっています。

  このように35種類のS字曲線の中から当てはまる進化トレンドをいくつか探し出せれば、
  TRIZにより技術の進化の方向性を時系列的に予測することが可能です。
  どれが先に来てどれが後に来るかという時系列的な優先順位も付け得ます。

S字曲線を使う目的は、開発・発明において「商品開発のゴールを定める」ことです。

TRY&ERRORのように手探りで開発を進めるのではなく、
明確な目標を設定できることがTRIZのメリットなのです。

TRIZのツールの二つ目については次回に説明します。

TRIZ -概要-

ヒューマンキャピタル2005のセミナーその③

技術者の問題解決スキルを向上させる「TRIZ(トゥリーズ)」

TRIZとは…

膨大な特許情報を基盤に、問題解決の方向を科学的に見出す手法(メソッド)

250万件の特許データベース →

(1) 開発・発明の歴史: 35種類の技術進化のS字曲線

(2) 開発・発明における自然科学の応用: 全自然科学分野の知識に基づく100種類の定石

(3) 開発者・発明者の思考プロセス: 問題解決のアルゴリズムやベンチマーク

ブレーンストーミングやKJ法、アイデアマラソンのような発想支援手法の一種です。

ロシアで開発され、日本での認知度はまだ低いようです。

しかし、国内外の大手エレクトロニクスメーカーからは、
開発の劇的なスピードUPに貢献する手法として期待を集めています。

日立製作所松下電器産業グループ三洋電機などは既に導入しています。




参考までに。

ちなみに、TRIZはロシア語で
T ティオリア       (Theory)
R リシェニア       (Solving)
I  イズブレタェルスキフ(Inventive)
Z ザダーチ        (Problem)
です。

“Theory of Inventive Problem Solving”  [革新的問題解決の手法]

後に述べますが、あくまでも『問題解決』のための手法です。
本質を見間違うと手法に振り回されることになりかねません。

次回では、TRIZのツールの一つ「S字曲線」について、具体例とともに記します。
プロフィール

KOU.

  • Author:KOU.
  • 1981年生
    高等専門学校、大学院にて機械力学・制御工学を基礎とした振動制御に関する研究を行う。

    2006年
    某人材紹介会社入社
    エンジニアの転職サポートを志し、人事から求人ニーズをヒアリングする企業担当を経験。
    自動車、家電、半導体、精密・計測器、化学業界、総合商社など各企業の人事から採用ニーズを直接伺ってきた経験を活かし、第二新卒からエグゼクティブ層まで、これまでに1000人以上のビジネスパーソンに対してキャリアカウンセリングを行っている。

    [KeyWord]
    人材ビジネス/人材紹介/経営/人材開発/組織論/人事/CHO/HR/キャリアディベロップメント/カウンセリング/コーチング/MBA/MOT/技術経営
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