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セレンディピティー

セレンディピティー(serendipity )
偶然と賢明さによって、求めているわけではない物事を発見する才能


昨日、10月8日は私の通う学校の創立90周年記念日でした。
記念講演会では、2000年ノーベル化学賞受賞者の白川英樹氏が講演なさいました。

白川氏は導電性高分子の発見と発展に寄与した功績により、ノーベル化学賞を受賞しました。

実用化した用途として、リチウムイオン電池やアルミ電解コンデンサーなどが、
携帯電話の電池に利用されています。
これらは第一世代の応用と呼ばれています。

導電性高分子の第二世代の応用として最近注目されているのは、有機EL、
有機LED、有機太陽電池、有機トランジスタなどです。

ここに紹介した以外にもたくさんの用途や今後の発展が期待される分野があります。

以下に、白川氏が導電性高分子を発見するまでの過程を要約します。

研究テーマはアセチレンが重合してポリアセチレンになる反応の仕組みを明らかにすることでした。

高分子の反応は奇妙な反応で、一寸した条件の違いでずいぶん違ったものができてしまいます。
こういったことを含めて、反応の仕組みを明らかにしたかったのです。
反応には触媒が必要で、チーグラー・ナッタ触媒の一種を使っていました。

研究生の人がたまたまポリアセチレンの合成実験を経験しておきたいと言ってきたので、

手順を教えてやってもらったが、何らかの手違いで大量の触媒を使ってしまったのです。
それまでは粉みたいなものしかできなかったのに、
そのときはフィルムのようなものができたのです。
おそらく、触媒の量が多かったので、反応が急速に進み、
触媒溶液の表面に膜をつくったのでしょう。
ともかく、黒いフィルムができました。

………

これが導電性高分子の元だったわけです。

その後、導電性を検証するために難解な物理化学の理論の問題に取り組まれたり、
計算のためのプログラムも自分で組んだりしたそうです。

そこで、白川氏はセレンディピティーという言葉を引き合いに出されました。

偶然と必然

それは、偶然をきっかけとして、
賢明な努力を重ねることで必然的に素晴らしい発見をするということだと思いました。



この講演を聞いて、私はΦ型人間を連想しました。
エキスパートとして『専門分野以外の知識を統合し、自分の分野に応用できる人間』のことです。

白川氏は物理化学の理論やプログラミングの知識を統合し、
自らの専門分野である高分子化学に応用したのです。


ところで、2000年のノーベル化学賞には3人の受賞者がいました。

白川氏とHeeger氏(物理学者)、MacDiamid氏(化学者)の3人です。

Heeger氏は固体物理学という学問領域を研究している方です。
MacDiamid氏は無機化学を主として勉強され研究されてきた方です。
白川氏は高分子化学者であり、同じ化学でも、無機化学であり有機化学であるわけで、
今までの縦割りの学問領域では全然別の領域の研究をしていたことになります。

3人を共通項でくくると、「物質科学」という領域になります。
物質科学は、物理学や化学や生物学にもまたがる総合科学です。
物質科学は、新しい物質を作る、評価をする、それで利用する、
そういうことをカバーする新しい学問です。

学問分野とは、『道』の名前です。
白川氏らが開拓した『道』に「物質科学」という名前が付けられたのです。



自分のやりたいことを実現するために、専門以外の分野の知識を統合する。

パイオニアとは、既存の分野を極めるのではなく、己の『道』を開拓する人です。

「専門分野以外の知識を統合し、己の『道』を開拓する人間」


パイオニアとエキスパートの本質的な違いを考えさせられました。


キャリアに関する道を歩もうとしている私が、ノーベル化学賞受賞者のお話から、
大きな発見をしたこの経験もセレンディピティーなのです。

ノーベル賞と比べられるような発見ではありませんが(笑)
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ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価

 スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2005年のノーベル化学賞をフランス人のイブ・ショバン仏石油研究所名誉研究員(74)、米国人のロバート・グラブス米カリフォルニア工科大教授(63)、リチャード・シュロック米マサチューセッツ工科大教授(60)の3氏に授与する

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プロフィール

KOU.

  • Author:KOU.
  • 1981年生
    高等専門学校、大学院にて機械力学・制御工学を基礎とした振動制御に関する研究を行う。

    2006年
    某人材紹介会社入社
    エンジニアの転職サポートを志し、人事から求人ニーズをヒアリングする企業担当を経験。
    自動車、家電、半導体、精密・計測器、化学業界、総合商社など各企業の人事から採用ニーズを直接伺ってきた経験を活かし、第二新卒からエグゼクティブ層まで、これまでに1000人以上のビジネスパーソンに対してキャリアカウンセリングを行っている。

    [KeyWord]
    人材ビジネス/人材紹介/経営/人材開発/組織論/人事/CHO/HR/キャリアディベロップメント/カウンセリング/コーチング/MBA/MOT/技術経営
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